本の森047 健康で文化的な最低限度の生活 柏木ハルコ(小学館)

社会で起こっている様々な問題は、
まずは自分の頭で考えることが大切だと思う。

この漫画は、
生活保護の問題をどう解決するか?
ではなく、生活保護の問題とは何か?
を、僕たち一人ひとりが自分の頭で考えるために、
とても素晴らしい入門書だと思う。

少なくとも僕は、
読者に、自分の頭で考えてもらうことを目的に
書かれているんじゃないかと感じさせられた訳です。

 

そこが、この漫画の一番のオススメポイントなのだ!

自分の思想を展開することは大切だし、
それはもちろん、知識人としての使命だとも思う。

でも、僕たち一人ひとりが心がけなきゃならないことは、
自分の感情や感覚を大切にすることだと思う。
曇りなき眼で、事実を見据えることだと思う。
そして、自分で考えてみることだと思うのです。

その上で、様々な主義主張を検討すること、
それが大切なんじゃないかって思うわけです。

この漫画は、どこにも偏っていない。
これはあくまでの僕の感覚だけど、作者は、
偏らないように必死で頑張って葛藤しているように
感じてしまうんです。
そこが、この漫画に僕が感銘を受けた理由の一つでもある。

僕たちは、葛藤を忘れちゃいけないと思う。
自分が正しいと思い込むことの危険性を忘れちゃいけない
と、僕は強く思うわけです。

この本は、もちろん生活保護の問題について、
様々な示唆を与えてくれる本だけど、同時に、
「問題」をまっすぐに見つめ続けようとする、
真摯で誠実な「姿勢」を感じさせてくれる本でもある。
と、僕は思った次第です、はい。

様々な意味で、読んでみて欲しいと思う一冊です♪

健康で文化的な最低限度の生活 1 (ビッグコミックス)

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