本の森054 二宮尊徳 奈良本辰也(岩波新書)

知ってた?
二宮尊徳って、実は超優秀なコンサルタントだったってこと。

二宮金治郎(尊徳)。
知っている人も多いと思う。
今は少なくなったけど、昔は多くの小学校や中学校に、
薪を背負って本を読む二宮の銅像があった。
彼は、日本人にとって「勤労」「勤勉」の象徴的人物だった。

だけど、彼の生き様や実績については、あまり知られてない。
実は彼は、超優秀な地域再生コンサルタントだったのです。
困窮に喘ぎ、廃村寸前の状態に陥っていた村々を復活させること、
それが彼の仕事だったわけです、実は。

彼の行った再生手法は「報徳仕法」と呼ばれて、数多くの貧村を
救ったのです。

彼は、復興を依頼された貧村に出向き、村を一軒一軒周って
村民の声を聞き、善行者を表彰し、壊れた屋根や便所などが
あれば自分の金で修繕してやったそうです。すごいでしょ?

それだけじゃない。
村民がお互いに助け合える仕組みとして、世界最初の信用組合
「五常講」を作り、荒れ地を開墾する方法を教え、村民全員で
一丸となって村を復活させていったわけ。

強制的に働かせたわけじゃない。
村人たちが自主的に、村の復興を目指して動いたことで、
村がどんどん豊かになっていったんです。

じゃあ、なぜ二宮の元で、
村人は目標達成に向かって一丸となれたのか?

その答えは、「自信」だと思う。

二宮は、高い目標を目指させることよりも、
自分の労働こそが家を支え、藩を支えているんだ!っていう
自覚を持たせて、労働に「自信と誇り」を感じさせ続けたわけ。
会社でもまったく同じことが言えると思う。

ただただ結果を出すために高い目標を目指させるんじゃなくて、
自分の労働こそが会社を支え、地域や社会をよくすることに
繋がっているんだ!という自覚を持たせることによって、
労働に「自信と誇り」を感じさせるってことが重要なんだと思う。

僕は2011年に「ドラマティック☆マネジメント」って言う本を書いた。
この本は、また今度紹介するけど、ここに書かれていることは、
江戸時代に二宮がやっていたことに通じてるって、ちょっと思う。
もちろん二宮翁の足元にも及ばないけど。

いつの時代も、一人一人が自信を持って仕事ができる環境をつくる
ことの大切さは同じなんだなって思わせられたわけです。

二宮金次郎は、ホント只者じゃない。
僕ももっともっと精進しなきゃって思わされた一冊でした。

二宮尊徳 (岩波新書の江戸時代)

 

ついでにこれも!

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