奇跡の人という映画を、子供の頃に観た憶えがある。
映画「奇跡の人」
確か、学校の講堂で観た。
サリバン先生の教え方が怖かったことを記憶している。
なんて怖い先生なんだろう、とか、
ヘレンケラーがかわいそうだ、とか、思った記憶がある。
でも、この本を読んで、そうじゃなかったんだと思った。
障がいを抱えた一人の人間が(それも少女が)、
この健常者社会の中で自立し、誇りを持って生きる為に
先生は必死に戦い続けていたんだと改めて感じたわけです。
もちろん、この本はヘレンケラー物語の翻訳なんかじゃない。
明治から昭和初期に至る時代の物語だけど、僕たちが暮らす
現代社会が今尚抱える「問題」を鮮やかに映す鏡となる、
素晴らしい小説なのです。
人の可能性を諦めない。
教育に携わる者として一番大切にしなくちゃならないことを
教わることができる作品です。