本の森020 センチメンタルな旅 冬の旅 荒木経惟(新潮社)

生まれて初めて、泣いた写真集。

 

尊敬する人は誰ですか?

20代の頃の僕は、
こんな質問をされると、必ず彼の名前を答えていた。

写真家、荒木経惟(アラーキー)。

どうして彼だったのか?

当時の僕が思っていたこと、
それは、「ひとを愛する力」だった。

 

愛される力ではなく、愛する力。
見返りを求めず、ただ愛する。

この写真集を手に取った時、
彼の、亡くなってしまった妻、陽子への愛に、
僕の心は、震えた。

優れた恋愛小説や映画は、ある。
大好きな作品も、たくさんある。

でもやはり、この写真集は特別だ。
もちろん、荒木の写真集は他にも読んだし、
写真展にも行った。
彼が書いた本も読んだ。

他の写真集や本も大好きになった。
でもやはり、この写真集は、やはり特別だと思う。

愛するとはどういうことなのか?
愛する人を失うとはどういうことなのか?

そんなことを、僕はこの写真集から教わった。

1991年に刊行された写真集だけど、
時を経た今でも、この感動は色褪せてはいない。

ぜひ、手に取って欲しいと思う作品です。

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