この本を読んだら、誰もが美術の世界にハマってしまうでしょう。
小説は、世界を旅させてくれる。
行ったことのない土地、
出会ったことのない人たち、
そして、知らなかった世界へと、
僕たちを連れて行ってくれる。
原田マハの小説「楽園のカンヴァス」は、
僕を美術の世界への旅に連れて行ってくれた。
僕は、大学で芸術学を学んでいながら、
頭でっかちな、机上の空論を論じて、
美術作品を素直に純粋に見る眼を、
失ってしまっていたのかもしれないと、
そう感じさせられた小説だった。
物事を純粋に見る眼、感覚は、
知識や経験が増えるほど曇っていく。
訳知り顔で、知識人ぶって語る言葉は、
人の心を打つことはない。
純粋に自分の中に生じた素直な感情を、
偽ったり飾ったりすることなく、
正直に言葉にすることの大切さ、
自分の言葉で語ろうとする真摯な姿勢、
それこそが、人の気持ちを動かす。
素晴らしい作品と向き合うということは、
おそらく神と向き合うことと似ている。
あるいは、自分自身と向き合うことと似ている。
あー、美術館に行きたい。
アンリ・ルソーの、パブロ・ピカソの作品を、
じっと見つめてみたい。
生まれて初めて、純粋に、
ただただ「絵」を見つめてみたいと思った。
僕はおそらく、
これから「絵」の世界にハマってしまうだろう。
新しい世界へ連れて行ってくれて、ありがとうと、
いつか作者に言いたいと思った。
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