本の森026 移行期的混乱 平川克美(ちくま文庫)

リーダー、経営者に必ず進める戦後史。

僕たちが暮らす社会。
戦後から高度経済成長期を経て、
現代社会に至る歴史、現代社会の成り立ち、
どんなことが起こって、どのような歴史を経て、
僕たちはこの社会に生きているのか?

この社会はこれからどこへ向かうのか?
現実に根ざした事実を考察し、僕たちの暮らす、
この現代社会を現実的に見つめた名著。

僕たちは社会の現実を見つめる術を知らない。
溢れる情報に流され、自分の価値観や思い込み、
世間の流行に左右されながら社会を見てしまう。

この本は、一つ一つ統計データを参照しながら、
現代社会を地に足がついた視点で見つめている。

もちろん、ここに書かれていることだって、
作者の価値観に基づく「独自の歴史認識」だ。

だけど、少なくとも僕は、この本に共感し、
ここに書かれていることに共通認識を持った。

 

この社会の現実について、歴史について、
そしてこの社会の未来について考察されている本だけど、
でも僕には、組織について、会社についての現実と、
その未来についての考察として最良の教科書だと感じている。

だから、経営者やリーダーにはいつもこの本を進めている。

何度も何度も読み返し、自分の生きている時代を知り、
現在に至るまでの物語を知り、未来を考える。

それはまるで、一人の人間の人生を見ているような、
そんな気持ちと似ていると感じる。

他者を知り、自身を知る。
それが、人が人と関わることで得られる最も大切なことだと、
僕は考えている。

同じように、社会を知り、自分の立っている場所を知ることは、
この社会で生き抜いていくために最も重要なことだと考えている。

だからこそ。
この本は、あなたが生きるための入門書でもある。
あなたの未来を考える上での羅針盤になってくれると思う。

この社会を、
あなたが「生き抜いていく」ために、
この本はきっとあなたの役に立つと僕は思う。

;移行期的混乱―経済成長神話の終わり (ちくま文庫)

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